インプラントを埋入するのに充分な骨の厚みがありません。
これでは骨を破壊してしまいます。
インプラント
インプラントは失ってしまった歯の咬む喜びを再現する技術・・・恐ろしいものではありません。
歯は1本失うのもせつないものです。ですが、隣の歯を守る為にも抜く方がよいこともあります。
しかし、悲観なさることはありません。
入れ歯やブリッジやインプラント・・・ご自身にあった歯を入れましょう。
インプラントは骨に定着させる人工歯根です。
外科手術をしますが、ご本人の負担としては親不知を抜くよりずっと軽く済むので皆様びっくりなさいます。
あきらめないでどうぞご相談下さい。
不幸にして歯を失ってしまったら・・・
健康長寿を実現するためにも、ご自分自身の天然歯を大切にすることは大前提です。
でも、長い人生、いろいろなことが起こりますので、不幸にして歯を失ってしまうこともあるでしょう。
その場合、以下の3つの方法で補綴することになります。
| 方法 | 長所 | 短所 |
|---|---|---|
インプラント
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ブリッジ
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部分入れ歯
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インプラント治療を確実に、安全に、腫れや痛みを少なく行うために
1.ハイドロキシアパタイトコーテッドインプラント(以下HAインプラント)の使用
インプラントをその表面性状で分けると、チタンインプラントとHAインプラントに分けられます。
チタンインプラントは、最も一般的に使われているインプラントです。
HAインプラントは、骨に埋め込む部分のチタン表面にハイドロキシアパタイトがコーティングされているインプラントです。
そもそもハイドロキシアパタイトってなんでしょう。
ハイドロキシアパタイトは骨や歯の主要構成成分です。
ですからHAインプラントは生体組織と親和性が極めてよく、骨と結合しやすい特徴がありますし、腫れや痛みが少ないインプラント埋入が可能になります。
HAインプラントの特徴
- 生体組織と親和性が優れているため、腫れや痛みが少ないインプラント埋入が行えます。
- HAインプラントは骨伝導能が高いため、治療期間が短くできます。
- インプラント埋入において、インプラント周囲にできる新生骨用組織と科学的に結合する(バイオインテグレーション)ので、
一般的なチタンインプラントの機械的な結合(オッセオインテグレーション)より強く、細菌感染しにくいといわれています。 - バイオインテグレーションはサイナスフロアエレベーションにも効力を発揮します。
一般的には歯槽骨頂から上顎洞底までの距離が4ミリ以下の場合、外科手術を2回行う必要がありますが、HAインプラントを用いた歯槽頂アプローチでは1回でサイナスフロアエレベーションとインプラント埋入を行うことができ、
体の負担が少なくて済み、また治療時間の節約にもなります。 - バイオインテグレーションは、骨と強固に科学的に結合するので、
骨の状態が厳しい場合でもインプラントを適用できる場合が多いです。
以上のことと、日本人の顎骨の形態も考慮し、私たちの歯科医院では日本メディカルマテリアル社製のPOI-EXインプラントを主に使用しております。
2.CTの利用
レントゲンだけで診断し、計画を立てインプラント治療を行っていた時代は終わりました。
レントゲンでは、骨の垂直的な高さはある程度わかっても、水平的な厚みまではわかりません。
そして、レントゲンはどうしても歪んでいますので、レントゲン上の10mmが生体の10mmとは限りません。また、そこに骨があることはわかっても、骨の固さまではわかりません。
以上のことから、私たちの歯科医院では、
インプラント治療の診断、計画にはCT撮影が必要不可欠と考えます。
CT撮影には提携先である専門のメディカルスキャニングにて行います。都内近郊に約15の医療機関で撮影できますので、便利な場所を選んでいただき、時間も約30分で行えます。
3.インプラント埋入シミレーションソフトの利用
撮影したCTデータはインプラントシミュレーションソフトのシンプラント(マテリアライズジャパン社)により、診査診断され治療計画が立てられます。
シンプラントは世界で最も愛用されている術前シミュレーションソフトであり、この分野のパイオニアといえます。
このソフトを使用することにより、顎骨の形態、硬さ、状態、神経の走行、上顎洞までの距離などを正しく把握できますので、どの位置にどの方向で、どのサイズのインプラントをどのようなテクニックを用いて埋入すべきかを的確に判断することで、確実に安全な埋入が可能になります。
4.インプラントをあきらめていた方へ
細い骨への対応
図のように骨幅の狭いケースでは、ボーンスプレッダーを使用し、骨幅を拡大しながらインプラントを埋入します。
また、骨が柔らかい場合、骨質をコンデンスし緻密に改造するメリットもあります。
いずれにしても、骨を削らずにインプラント埋入窩を形成していきます。
ステップ(1)


ステップ(2)

そこで、歯ぐきを開いて、骨の中央に細い穴を開けます。

ステップ(3)

その穴にボーンスプレッダーというネジのような器具を文字通りねじ込んでいきます。
ボーンスプレッダーの直径を徐々に太いものにしていくことで骨が強い密度になりながら拡げられていきます。

ステップ(4)

インプラントの埋入に充分な厚みまで骨が拡がりました。

ステップ(5)

インプラントを埋入します。

ステップ(6)

カバーキャップをします。

ステップ(7)

歯ぐきを戻して糸をかけます。
糸は7~10日後に取ります。
骨補填材が骨になって安定するまで、このまま6ヶ月待ちます。
例:上の前歯を抜きました。

サイナスフロアエレベーション
上顎臼歯部にインプラントを埋入したい場合、上顎骨は骨で満たされているのではなく、上顎洞という空間があります。
そして歯槽骨頂から上顎洞底まで骨の垂直的距離が短い場合があります。
一般的に十分な長さといわれる10mm、12mmのインプラントを埋入しようとすると、上顎洞にインプラントの先端が突き出てしまうケースが日本人の場合、むしろ多いように思います。
突き抜けては困りますので、インプラントをあきらめていた方もいらっしゃったと思いますが、現代ではサイナスフロアエレベーション(上顎洞底拳上術)を行うことでインプラントを埋入できるようになりました。
サイナスフロアエレベーションとは、インプラントを埋入するとき、またはそれ以前にその場所の骨の高さを増すために、上顎洞底の部分を持ち上げてそこに骨を作り、元の骨と一緒にインプラントをしっかりサポートするために行う処置をいいます。
サイナスフロアエレベーションには、歯槽頂アプローチと側方アプローチがありますが、当院では多くの場合以下の理由から歯槽頂アプローチを採用しています。
ステップ(1)

インプラントを埋入するのに充分な骨の深さがありません。
これでは骨を突き抜けてしまいます。

ステップ(2)

そこで、歯ぐきを開いて、上顎洞底ぎりぎりまで骨に穴を掘ります。

ステップ(3)

その穴から骨補填材をつめていきます。
慎重に少しずつノックするようにつめていくことで上顎洞底粘膜がゆっくり持ち上がっていきます。

ステップ(4)

インプラントの埋入に充分な骨の深さができました。

ステップ(5)

インプラントを埋入します。

ステップ(6)

カバーキャップをします。

ステップ(7)

歯ぐきを戻して糸をかけます。
糸は7~10日後に取ります。
骨補填材が骨になって安定するまで、このまま6ヶ月待ちます。
例:上の奥歯を抜きました。

5.PRPの利用

PRP(platelet rich plasma)は多血小板血漿といいます。
血小板には、TGF-β、VEGF, EGFなど各種成長因子が含まれています。PRPは血小板を高濃縮した血漿でそれら成長因子が組織を再生させる細胞を活性化させることで、治癒の促進、痛みの軽減などの効果があります。
PRPは採血によって患者さん自身から精製するので、アレルギーが出たり、感染症にかかるリスクもありません。
8ccを採血し、遠心分離器にかけて4~8倍に濃縮した血小板を取り出し、活性化させ、インプラント埋入部位や、GBR(骨再生誘導法)部位に応用します。
『PRPの分離法』はPDFファイル(約1.8MB)です。PDFのご利用には、Adobe Reader日本語版が必要です。
Adobe Reader日本語版は、アドビシステムズ社のサイトより無償ダウンロードできます。
インプラント治療の流れ
1.口腔内の大まかなスクリーニング
印象採得をして模型を作製し、顎堤の形状の把握、咬合状態の診査、残存歯の把握、外科用ステントの作成等行います。
レントゲン検査で、残存歯の状態、顎骨の大まかな把握を行います。
歯周組織検査を行い、歯周組織の診断、治療計画を立案します。
齲蝕の検査を行い、齲蝕の診断、治療計画を立案します。

2.CT検査
外科用ステントを使用し、CT撮影を行います。
CTデータはシンプラント(インプラント埋入シミュレーションソフト)により解析し、診査診断、治療計画を立案します。

3.カウンセリング
以上のことをふまえ、治療計画を患者さんに説明し、また患者さんのご希望をお聞きします。

4.術前の治療
必要があれば、インプラント埋入前に齲蝕治療、歯周病治療、咬合治療、要抜去歯の抜歯などを行い、口腔内環境を整えておくことは、インプラントの予知性を高めるためにぜひ必要と考えます。
特に、インプラント埋入隣在歯に根尖病変がある場合、隣在歯の根尖病変からインプラントフィクスチャーに感染が波及する恐れがあるため、術前処置は必ず行うべきです。
また、口腔内に歯垢や歯石があり、歯肉から浸出液、出血、排膿などがある場合、歯周病治療も術前に必ず行うことが重要です。
手術時の器具や手術野の徹底的な滅菌消毒は重要であることは当然のこととして、口腔内が前述のような状態では感染の確率は高いからです。
インプラントはインプラント。ほかの歯科治療とは別物で、他の環境には目をつぶり、インプラントだけを埋えればいいという考え方はとても危険だと思います。

5.インプラント埋入手術
いよいよインプラント手術を行いますが、準備は万全ですので不安はありません。
患者さんは当然大変な思いで来院されますが、手術後お聞きすると、皆様口をそろえて「思っていたほど、大変ではなかった。」とおっしゃっていただけます。

6.抜糸
手術後7~10日後に抜糸を行います。

7.抜糸後経過観察
インプラント埋入手術後2~5か月は、インプラントフィクスチャーが骨と強固に結合する(バイオインテグレーション)までの免荷期間になります。
この間、1か月に1度御来院いただき、経過観察と消毒、クリーニングなどを行います。

8.二次手術
当院ではほとんどのケースで2回を法を選択していますので、2次手術を行います。
麻酔をし、粘膜を剥離し、フィクスチャーキャップを除去し、ヒーリングアバットメントを装着し終了です。
手術という表現がオーバーに思えるぐらい、短時間で終わり、術後の違和感なども軽微です。当院では「2次手術」とは呼ばず、正式名称ではありませんが、「頭出し」と呼んでいます。
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| インプラントと骨がくっつきました | 歯茎を少しカットして カバーキャップを取ります |
ヒーリングキャップを入れます | 歯茎の治癒を待ちます |

9.上部構造の装着(補綴処置)
ヒーリングアバットメント装着後は上部構造を装着することになりますが、ここからは一般の補綴処置と同じになります。
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| 歯茎が落ち着きました | ヒーリングキャップを取ります | ポストアバットを入れます | |||
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| ポストアバットが入りました | 仮歯を入れて骨に歯がある状態と 噛むことの刺激を思い出してもらいます |
かぶせ物を入れる為に型どりをします かぶせ物が入りました |

10.メンテナンス
インプラントに限ったことではありませんが、歯、インプラントともに長期にわたってよい状態を保つには、お家でのホームケアに加えて診療室でのプロフェッショナルケアが必要です。ご一緒にぜひ長持ちさせましょう!
















